この世界で君を愛す
その4 懐かしい香
遊園地デートから一週間がたった。
あの日偶然出会った阿部さんは特に何も聞いてこなかったので 私達も特に何の説明もせずに挨拶をして別れた。
阿部さん結婚してたんだ…。
かわいい男の子がいて…。
―コン コンー
ドアをノックする音がして 渉が顔を出した。
「どう?はかどってる?って…あー未知サボってたな?」
「サボってなんかいないよー。今はちょっと…どんな表現がいいか考えてたの!」
「本当に?まぁいいや。はい!差し入れ!」
渉が差し出した袋の中には紙コップが二つ。
「あっ!これって!」
「そうだよ。前に未知がバイトしてた店のコーヒーだよ。ちょっとぬるくなったけど」
プラスチックのふたを開けるとコーヒーの良い香がした。
「うーん!懐かしい!いい香!休憩して一緒に飲もう?」
「今休憩してたんじゃなかったの?」
「渉ってば そんな意地悪言わないでよ」
「サボってた未知が悪いんでしょ」
そう言って 渉は楽しそうに笑った。
あの日偶然出会った阿部さんは特に何も聞いてこなかったので 私達も特に何の説明もせずに挨拶をして別れた。
阿部さん結婚してたんだ…。
かわいい男の子がいて…。
―コン コンー
ドアをノックする音がして 渉が顔を出した。
「どう?はかどってる?って…あー未知サボってたな?」
「サボってなんかいないよー。今はちょっと…どんな表現がいいか考えてたの!」
「本当に?まぁいいや。はい!差し入れ!」
渉が差し出した袋の中には紙コップが二つ。
「あっ!これって!」
「そうだよ。前に未知がバイトしてた店のコーヒーだよ。ちょっとぬるくなったけど」
プラスチックのふたを開けるとコーヒーの良い香がした。
「うーん!懐かしい!いい香!休憩して一緒に飲もう?」
「今休憩してたんじゃなかったの?」
「渉ってば そんな意地悪言わないでよ」
「サボってた未知が悪いんでしょ」
そう言って 渉は楽しそうに笑った。