この世界で君を愛す
私は阿部さんにお礼を言うと 式場の外に出て階段を降りた。


四月末の午後。

柔らかい日差しが降り注ぎ 私は空を見上げた。

淡いブルーの空。

そんな空から何かが舞い降りて 私の髪にくっついた。

とってみると…薄いピンク色の花びらだった。

回りを見渡したけど 桜の木はなくて…。


どこかから風に運ばれてきたのかな?


そのまま捨ててしまうのもなんだか可哀想に思えて 私はその花びらをそっとティッシュに包んだ。


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