この世界で君を愛す
「そう。忙しくてあまり家に帰れなかったんですよ。でもなんとか片付いて 今日はそれを発表というか…大切な日なんですよ。」


「大切な…日?」


「ええ。だから今日は久しぶりにここに来ました。ここに来ると頑張れる気がして。」


私はクスッと笑った。

「上田さんはコーヒーが好きなんですね。」


「もちろんコーヒーは好きですよ。でも…。」


渉は真剣な表情になって 私をじっと見た。

図書館で見た時のような真剣な眼差しから 私は目をそらせなかった。


「今日僕がここに来たのは…君に会いたかったから。」


「私に…?」


「僕は…図書館で君に会った時とても嬉しかった。なぜなら僕は…君が好きだったんだ。」


私を…好き…!?


私は頬が熱くなるのを感じた。



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