この世界で君を愛す
勇気をふりしぼって未知に告白したら 未知も僕を好きだと言った。


僕は嬉しくて…つい未知の頬にキスをした。


その後未知と別れて一人になった僕はビルの壁にもたれて 跳ね上がる心臓を必死で鎮めていた。


本当は…予想外の展開に僕は気絶寸前だったのだから。



初めてのデートの日 僕は恥をしのんで友人達に必勝法を聞いていた。


でも失敗だった。


観覧車でキスをしようとしたら未知が本気で怖がったからだ。


帰り道…嫌われたかなぁと落ち込む僕に 何も気付かない未知は「楽しかったね」と笑った。


その時僕は思ったんだ。


格好悪くたっていい。


急がなくていい。


未知のそばにいられれば。


未知の笑顔が見れれば それでいい。


ずっと…未知の笑顔を守っていきたい…そう思ったんだ。




あの日。


僕達二人の長い影は…永遠を誓い合うように寄り添っていた。




< 80 / 310 >

この作品をシェア

pagetop