この世界で君を愛す
「今夜は未知のお祝いをしよう。何か美味しい物でも食べに行こうか。何がいい?」


未知は顎に指を当てて考えていたが やがてこう言った。


「じゃあね…。すき焼き…かな」


「すき焼き?」


「うん」


僕は未知がホテルのディナーとかすごい事を言うと思っていただけに拍子抜けしてしまった。


「そんなのいつでも食べれるじゃない」


「そうかもしれないけど…。この部屋で渉と二人でお祝いしたいな…なんて。ダメ?」


目の前の女性に上目遣いで心配そうに見つめられたら 断れるはずもなかった。

それが未知ならなおさらだけど。


「よし!わかった!じゃあ今から二人で買い物に行くよ?」


「うん!」



僕達はまるで子供のようにじゃれあいながら外へ飛び出した。


穏やかな光の中へ…・。




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