天上のワルツが聴こえる
Gスクエアから石段を降りて3ブロックほど行くと、少女の家がある。

共同住宅のステップを駆け上がり、玄関を抜けて2階まで登った。

つきあたりの、白いドアに飛び込む。

「ただいまぁっ!」

息せき切って部屋へ飛び込むと、銀の瞳をした青年が戸口を振り返った。

神話から抜けでたように美しい青年だった。

彼が、アンドロイドのピーチである。

白いシャツにストレートのブルージーンをはいた姿は、とても機械とは思えない。

見事な銀の髪と珍しい銀の瞳が人間離れしていたけれど。

正式名称P08管理システムAI端末Pチは、造り物のアンドロイドだが、普通の人間となんら変わらない感情を持っている。
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