天上のワルツが聴こえる
Pチ、Pの八番である。

Pナンバーは、コロニーの管理端末として重要な役目を担っているのだ。

彼の場合は、最も重要である夢見の保護であった。

それまでじっと黙って聞いていたアンドロイドは、小さく息をついて饒舌な少年を見た。

銀色の瞳が、冷たく光る。

「それが、どうしたっていうんです?」

魔性の瞳に、憎悪の光が宿っている。

氷のように冷やかで端正な顔には、独特の迫力があった。

フロルは、ゾッとした。

アンドロイドが、主人(マスター)の命令もなしに敵意を持つなど、考えられないことだったからだ。

少年は、ゴクリと生唾を呑み込んだ。

アンドロイドの言葉を、待つ。
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