天上のワルツが聴こえる
「あなたの言う通り、わたしの行動は許されないものかもしれません。いずれ、当局の知るところとなり、わたしは、処理されるでしょう。そんなことが、怖いとお思いですか?」

アンドロイドは、冷たく笑った。

それは、底冷えがするような微笑みだった。

「あなたがマザーだというのなら、お聞きしたいことがあります」

その静かな口調に、フロルは気圧されていた。

だが、そんな気持ちを振り払うように、少年は、高圧的に言い放った。

「君は、捕らわれの身だということを、忘れているようだな!」

アンドロイドはかまわずに、質問を繰り出した。

「この街は、隔絶されたコロニーではなかったのですか?」

瞬間、フロルの表情が氷りついた。
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