天上のワルツが聴こえる
「遅いですね。安らぎの時間には遅れてはいけないと、いつも言ってるでしょう?」

ゾクッとするような甘美な声で、アンドロイドは穏やかにたしなめた。

「ごめんなさぁい」

愛くるしい瞳で詫びて、少女はぺろっと舌を出した。

ここでは、全てのヒトが安らぎの時間を持つことになっている。

毎日、17時から12時間、人々は、眠る。

例外は、ない。

その間に起きて活動しているのは、ロボットやアンドロイドたちである。

全てのヒトは、安らぎの時間を持つためにここに居るのだ。
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