天上のワルツが聴こえる
少女は窓辺に歩み寄り、手にした鉢植を出窓に置いた。

そこにはすでに、香草の鉢植がいくつか並んでいる。

とてもいい香りだ。

少女は、その側の安楽椅子にちょこんと腰かけた。

ここちよい香りが鼻腔をくすぐり、眠りを誘う。

「いい夢を」

アンドロイドは少女の横にひざまづき、彼女の額におやすみのキスを送った。

少女の左手首に、金属製のブレスレットをパチンとはめる。

モニター装置だ。

そして彼は隣室へ移動した。

少女は、かすかに揺れる安楽椅子に身をまかせて眠りについた。
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