天上のワルツが聴こえる
やがて、髪の毛が、意志を持って動き出す。

うねうねとうねりながら、無重量状態のように空間を伸びてゆく。

赤い糸が四方八方に広がり、家具や、鉢植にからみついてゆく。

壁に、天井に、床にと、部屋いっぱいに広がってゆく。

それは、凄絶な情景だった。

怖いほどに鮮烈な、赤の舞いだった。




そして、人々は、夢の眠りを眠りはじめる。
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