天上のワルツが聴こえる
「混同してもらっては困る。彼女は何も知らないのだ。だから、不必要な知識を与えることもない。君の護ってきたリーファとは、別人なのだ」

「別人…」

アンドロイドは、その言葉を噛みしめるようにつぶやいた。

「ひとつ、訊いていいですか? マザー」

「ああ」

「今まで、わたしは、何度となく夢見を育ててきたのでしょう。その夢見が限界を迎えたとき、わたしは、どうしていましたか?」

「それは、君が、夢見を愛していたかということか?」

「そうです」
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