天上のワルツが聴こえる
「端的に答えるなら、ノーだ。勿論、それなりの愛情はそそいで接していただろうがね」

アンドロイドは、うなずいた。

「わかりました。彼女を、引き受けましょう」

「では、もう会うこともないと思う。私は、この街からヒトがいなくなったのを確認したら、活動を停止する」

「最優先プログラムは?」

「夢見が居なくなれば解除される」

フロルは、退室した。

警備ロボットたちも、引き上げてゆく。

アンドロイドは、そのままとどまって、繭がかえるのを待つことにした。

多分、そう長くはかからない。

もし仮に、次の夢見が生まれるのだとしたら、安らぎの時間までに、間にあわなければならないのだから。
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