天上のワルツが聴こえる
えいっ! と、木を蹴って、飛ぶ。

小さな、透き通った翅が、不器用にはためいて、少女は、ゆっくりとアンドロイドの腕の中に降りてきた。

「上手に飛べましたね」

アンドロイドは、腕の中の少女に、そう言って微笑みかけた。

少女も、あどけなく笑った。

「さあ、おいしいランチですよ」
< 143 / 151 >

この作品をシェア

pagetop