天上のワルツが聴こえる
「あなた、何者? 何か、知ってるのね?」

「君が知らなすぎるんだよ」

少女はムッとした。

彼の訳知り顔と、もったいぶった態度が気にくわない。

「あんたなんかに、訊かないわっ!」

バッと、少女は立ち上がった。

少年を睨めつけて、身をひるがえす。

急いで帰ってピーチに訊こう、そう思った。

「リーファ」

びっくりするくらい優しい声で、フロルは少女を呼んだ。

少女はそれを無視して、階段を降りる。

「あの聖堂に、行きたいんだろう?」
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