天上のワルツが聴こえる
「いよう! リーファ、いい夜だね。フロルとデートかい?」

浮かれ踊る、酒屋のハーパーが、2人をみつけて声をかける。

かつては連続殺人犯だった彼も、ここでは陽気なおやじだ。

2人は、ハーパーの横を通り、踊る人々に紛れて広場を抜けた。

聖堂に続く道を登り始める。

途中で、2人は立ち止まった。

丘の上の聖堂がいちばん綺麗に見える、あの場所だ。

少女は、闇に浮かび上がった白亜の聖堂を憑かれたように見上げた。
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