天上のワルツが聴こえる
「それは、リーファが、廃棄されるということですか」

「Pチ、おまえは、自分の与えられた使命を全うすることだけを、考えなさい」

マザーは、優しい声で唄うように言った。

しかし、その内容は、あたたかな声とは裏腹に彼を突き放すものだった。

「それでは、リーファは、いったい…」

言いかけた瞬間、ケーブルのつながった左手が、バチッ! とスパークした。

反射的に、アンドロイドは腕を引く。

ケーブルが、飛んだ。

──プロテクトがかかっている…。

彼は悟った。

この、P08コロニーのシステムは、一介の端末である自分が知り得るものではないのだ。
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