天上のワルツが聴こえる
新しい夢見が、現れるという。

その夢見の名も、リーファだという。

おそらく、新しいリーファは、また十何年も夢を見つづけるのだろう。

そして、自分もまた、そのリーファを護り、導き、このコロニーに住む人々に心の安定を与えつづけるのだ。

だが、それは、彼の慈しんできたリーファではない。

愛しい、リーファでは、ない…。

アンドロイドは、静かに目を閉じた。

彼の記憶回路が、遠い昔をサーチし始める。

その、膨大な量の記憶の中に、何か大切なことが埋もれているかもしれないと思ったからだ。
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