天上のワルツが聴こえる
ぽっかりひらけた広場にはかわいい噴水があり、その中央にイマージュクロックと呼ばれる幻視時計が立っていた。

時計にシンクロすると、どこにいても瞬時にして時間が判るシステムだ。

少女は、噴水の縁に腰かけた。

風もないのに、少女の赤い髪が、わさわさと舞い上がる。

まだ、気が高ぶっているらしい。

少女は深呼吸した。

この髪は、気持ちを敏感に感じ取ってしまう。

一息ついて周囲を見回すと、広場の向こう側で、花をいっぱい積んだ屋台が店開きしていた。

花売りのシンディ婆さんだ。
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