天上のワルツが聴こえる
シンディ婆さんは、今日も色とりどりの花をそろえて、道行く人にその香りを楽しませている。

少女は、ぴょん、と立ち上がり、屋台の方へ駆け寄った。

「こんにちはぁっ!」

屋台の陰から、ひょいと首を出して、老婆に挨拶する。

少女とシンディ婆さんは仲良しだ。

「おや、リーザ。今日も聖堂を見てきたのかい?」

シンディ婆さんは、何故だか少女のことをリーザと呼ぶ。

「あたし、リーファよ。おばあさん」

「おやまあ。そうだったねぇ…リーザ」

少女は、肩をすくめた。

けれども、そんなことは大した問題ではない。
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