天上のワルツが聴こえる
涙が、アンドロイドの背をぬらす。

「わたしもです」

夜の湿った風が、2人の頬をなぶった。

「でも、こんなことして…。あたしたち、どうなるの?」

「わたしといっしょでは、不安ですか?」

その言葉で、少女の胸は熱くなった。

そうだ。

自分は、誰の言葉よりも、この、アンドロイドを信じなければならなかったのだ。

フロルなんかの、甘言に乗ってしまったのがバカだった。

「つれてって…。ピーチといっしょなら、どこまででも、行くわ」
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