親父死んでくれてありがとう
酔っているので車の運転が出来ない

『おい母さん。タクシーば呼べ』

一丁目からたった四丁目まで行くのに、わざわざタクシーを呼ぶ

団地は山を切り崩した下から上にあがるたび、一丁目二丁目となっていく。

団地は住宅街なので、みんな同じ家に見えて目印になる物はあまりない

タクシーに乗って二丁目まで行くと運転手が迷っているようだ

父はすかさず

『はよいかんかお前タクシーの運転手やろうが』

運転手は
『お客さん自分この辺りはよくわからんとですよ、勘弁して下さいよ』と焦っている
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