親父死んでくれてありがとう
小学校の頃の成績は一番びりだった。

と言うか人の言っている意味が分からない

当然授業も先生の言ってることが理解できない。

運動も決して得意ではなかった

典型的おちこぼれ!

成績の件で母が学校に呼び出されそのたび小言を言われていた。

『修学旅行の出発式に代表で挨拶を読まないか?』

突然担任が言ってきた。

しかしどうやって挨拶文を書いていいかが分からない

結果先生の書いた挨拶文を読むハメになる。

内容は仲間決めの件で仲間外れにされるが、ココロよく別の友人たちが入れてくれた。

私はこの優しい仲間とともに充実した修学旅行を過ごします。

と言うような陳腐な内容だ。

自分自身が作成した内容なら情けなくなる事もないが

先生自身が感じてそれを書き壇上で読まされたら身も蓋もない。

でも当時はそれを悔しいとか悲しいとか感じなかった

その鈍感力があったからこそ三十年間生きていけたんだと思う。
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