短編集。
コントラスト
人生の転機というのはこんな時に訪れるんだなあと思った。



この短い人生の中で既に数回感じた挫折。



今回のは、史上最大な挫折に思った。





友達が学校を辞める。





「高専行くお金自分で貯める事にした。私んちビンボーだし、受験の勉強もした

いし。高校の授業は必要なくなっちゃったから。」





高校に用はない。と彼女は言う。



それで一番慌てたのは、彼女の親でも教師でもなく、この私なんじゃないかと思

う。



だってまず一つ、私には彼女ほど親しい友人はいない。



彼女は強く逞しかった。はじめて会ったときだって彼女が内気で一人きりだった

私を導いてくれた。



話しているうちに性格が合う事を知り、彼女のあとをついてまわってばかりいた。



憧れた。



私が欲しいと思うもの、なりたいと思うもの、全て持っている様に感じていた。



その人が高校2年の今、既に進路を決め込んで高校から去るという。



まだ進路なんて決めかねている私に、真っ先に言ってくれた。



「あんたは進路どうするの?」





彼女が 遠い人に見えた…。


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