短編集。
心臓と鼓動と脈と僕
似てるんだもの。



『心臓と鼓動と脈と僕』





僕が好きになったのは嘘みたいな強い人。

好きになれたのは君が嘘みたいに強い為。



「どーしたんだぃそこの君。」



いつだって煙草片手に現れて、どん底にいる人間をもう片手で引っ張り上げる。僕に始まったことじゃない。皆、皆だ。

不思議な引力を持ってる。人を救う人なんだ。

笑ってくれるとドキドキした。

バカみたいな速さで打ち鳴る鼓動が、毎回毎回テンポを増した。

泣いてしまうと死にたくなった。

自分の全てが止まってしまう様な気持ちになった。

恥ずかしがると赤くなった。

脈打つそれも、鼓動と一緒に速くなる。

君に触れれば落ち着けた。優しくなれた。

心の隅の汚いものが、流れ落ちてなくなるんだよ。


君が素直で率直で、それらがとても愛しくて、

これが恋だと言うんだと知った。

その素晴らしさを知った。

だから僕は 君がいるから 生きていた。

若気の至りとかそんな程度じゃなくて、だって見なよ、今の僕。
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