短編集。
「…事故だって。『美人薄命』ってヤツかしら?」
君がいないと
僕の気管は止まりそうなんだ。
他の部位も五感も気にしやしない。
足が取れたって何だって、君さえあれば生きていける。
だから僕は君の元へ走るよ。
『あなたがいるから鼓動を刻み、
あなたがいるから赤く染まるよ。
あなたがいるから僕は生きられる。
あなたがいなけりゃ僕は死んでるよ。』
ああ、歌う力が残っていたら、君に何度でも、それを歌う。
何度だって君の元へ。
何度だって走れるのに。