【短】Angel Lip
「いきなりだけど、カジって好きな人いるんでしょ??」
「えっ!?」
えっ…
梶谷君に好きな人…!?
ミャオの言葉に動揺する梶谷君と私
しかしミャオはお構いなしに話を続けた
「中岡あかりちゃんでしょ??」
━ドキッ
梶谷君の好きな人が…私??
あり得ないって!!
それに何でミャオはそんなこと知ってるの??
この時もミャオは笑っていた
ただ何かが違う不自然な笑顔
梶谷君はなぜか黙り込んで、ミャオに返事をしない
そんな梶谷君を見て不敵に笑うミャオ
「やっぱりね。
でも悪いけど、あかりちゃんは俺と付き合ってんだよね~」
そう言ってミャオは机から降り、梶谷君に背を向けて歩き出した
「あかりちゃんって、本当可愛くて純粋なんだ」
「…何が言いたいんだ、宮尾」
ようやく口を開いた梶谷君の言葉に反応し、ミャオはピタリと足を止めて、梶谷君の方を振り向いた
「あかりちゃん、譲ってあげても良いよ」
━…えっ??
一瞬、心臓が止まった気がした