【短】Angel Lip
「…本当の俺を見てもらおうと思って…」
ミャオは消えそうな位小さな声で呟く
私や梶谷君、周りのみんなはミャオの声に耳を傾けた
「いつの間にか俺には本命の人と結ばせる不思議な力があるなんてことを言われて…正直戸惑っていた…。
俺にはそんな力なんかない!!彼女が本命の人と結ばれたのは偶然でしかなかったんだ。
だけど、それでも女の子達は俺の力を信じて俺に告白をしてくる…。
初めは嫌だった。けど間近で彼女達が本命の人を見る目は真剣で愛しさを感じ
いつしか俺は彼女達の恋を応援したくなった。
だから恋のエンジェルになったんだ」
ミャオがあんな格好をするようになったのは、自分が恋のエンジェルになるため…
全ては恋する女の子達を応援するためだったんだ
「でも俺だって恋をする…。
その相手があかりちゃん…君だよ」
「えっ…」
そう言ってミャオは柔らかく笑った
「あかりちゃんのコロコロ変わる表情も、いつも聞こえてくる大きな声も…
そして一途にカジを見つめる視線も…ずっと見ていた」
そして私とミャオは真っ直ぐと見つめ合った