最愛の母
階段を降りていったのは母さんで、念のため病院へ行く準備をしていた。







父が付き添い、その日は検査の予約と軽い検診で帰ってきた。








数日後……







MRIの結果が出たとの電話が入った。






そして、お決まりのセリフ。







「ご家族も一緒に来てください」







しかし、父は私と姉を置いて、母と病院へ向かった。






帰りを待つ間の私の心境は複雑だった。







この頃の私には、乳癌というものがどのようなものなのか、知りもしなかったからだ。






しかし、母の少し強張った顔に潜んでいる不安をいち早く察してしまっていたのだった…






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