似非家族
「あ。」

「うわぁっ!?」


遊具の中には先客がいた。

私も驚いたが、相手の方が驚いているようだ。


「失礼しました。」


クルッと回って遊具からでようとすると……


「ちょ!ちょっと待った!!」


呼び止められて、またクルッと方向転換。


「……何か?」


そう言って、遊具の中の先客を見詰める。

ホームレスにしては意外と若い……。

……というか、もしかしたら同世代?

いかにも活発そうな黒髪の少年。

すると、彼は予想し得ない言葉を口にした。


「もしかしてアンタ……」
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