似非家族
「優しい?君の目は節穴か?」

「そ、その言葉……そっくりお返ししますっ!」


鼻で笑う真島に、女は負けじと言い返す。


「たしかに、出会ったのは最近で、刈谷さんのこと全然知らないです。でも、これだけはわかります。」


女が真島をキッと睨む。


「あなたは刈谷さんの外側しか見ていません!」

「見ただけでわかるさ!コイツが“不良”だってなぁ!!」

「なら私から見たあなたは……」




「無抵抗の人に暴力を振るう、最低な“不良”ですっ!!」




「俺が……“不良”?」


静まりかえる中、不気味な笑いだけが響く。


「面白いよ、君……」




「笑わせんなよっ!!」




ビュッ


「……っ!!」


ガッ


「なっ……!?」
< 113 / 138 >

この作品をシェア

pagetop