似非家族
「……恥ずかしいこと言ってんな。」


俺は心の底からむずがゆさを感じ、女から顔を反らした。


「それよか、アンタ何でココに?」


平常心を取り戻そうとさっきから気になっていた話題をふる。


「え、えっと、今日は学校がお休みだったので……。愛美ちゃんたちに場所は聞いてたので、ちょっと行ってみようかなと……。」

「ふーん……。」

「あの……迷惑、でしたか?」

「いや、実際アンタ来たから助かったとこもあるし……。」


嬉しかったんだ、正直。

でも……


「前にも言ったが、俺は同情されるのが嫌なんだ。」


コイツらは、俺を“可哀相”だと思ってる。


「だから……」




「同情なんかじゃないわ。」
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