似非家族
「……家出?」




「え!?」

「……。」

「いや、まぁ……うん、そういうことになるかな!」


ジッと見詰めていると、観念したかのように答える彼。


「そう……じゃあ、私と同じね。」

「そうそう同じ同じ……って、えぇ!?!?」


サラリと言えばサラリと受け流されると思ったけど、案外そうでもなかった。


「い、家出って……!!家族とか心配しないの……?」

「パパ、あんまり家に帰って来ないから、メールしてれば気付かない。」

「母ちゃんは?」

「ママは……死んじゃったから。」

「そっか……ゴメン。」


いけない、なんだかしんみりさせてしまった。


「君は?」

「へ?」
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