似非家族
「ねぇ、やっぱり止めよう……?」


駅で切符を買い始める彼女に言う。


「どうして?」

「ほら!知らない場所って危ないし!!」

「大丈夫。だって……」




「和四がいるし。」




「お、俺!?」

「私のこと、守ってくれるでしょ?」


ふわっと笑って。

やっぱズルい……。


「それで、何番ホーム?」

「え?えーっと……。」


とっさに言われて慌てて考える。

えーっと……えーっと……。




「使えないなぁ……。」




「へっ!?」


なんかボソッと言われた!

使えないって!使えないって!!使えないって……!!!!


「2番だって。ほら、行こう?」


案内板を見て、彼女が手を引く。

あぁ、なんで尻に敷かれてんだろ俺……。
< 40 / 138 >

この作品をシェア

pagetop