似非家族
プシューッ


「行こう、和四。」


彼女に手を引かれ、俺たちは電車に乗り込んだ。

今ならまだ降りられる。

だけど……




彼女と、もっと一緒にいたい。




ちょっとこき使われてる感はあるけど、なんか妙に楽しくて。

危なっかしくて不安だけど、なんか面白いことに出会える気がして……。

だからもう少しだけ、彼女と……




愛美と、一緒にいよう。




だが、この時の俺は知らなかった。

もう少しが、もう少しじゃなくなるなんて……。




この先どうなるんだろ、俺……。
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