似非家族
多分、私がココで受け止めなかったら、2人は同じことを繰り返すでしょう。

私みたいなお人好しばかりなら良いですが、世間はそんな人ばかりではありません。

このままにしていたら、2人が危険な目に遭う可能性が高い……。

コレは、私の妄想ではないと思うのです。

だったら……




こんな私で良いのなら……。




少し不安はあるけれど、ご両親が気付くまで、私が2人を守って行こう……そう思った。


「2人は中学生ですか?」

「はい、2年生です。」

「今夏休みなんだ!」

「そうなのですか。私は保育士を目指して大学に通っているのですよ。」

「へー。じゃあ俺たちといたら少しは勉強になるかも!」

「そうかもしれませんね。」


穏やかな会話が続く。

1人暮らしを始めてから家で誰かと話すなんてことがなかったから、なんだか温かい。

狭い部屋で川の字で眠るのも、なんだか良いもので……




“家族って良いな”




2人とは他人のはずなのに、そんな風に思えた。
< 64 / 138 >

この作品をシェア

pagetop