似非家族
翌日、私は2人を連れて買い物に出掛けた。


「あら、いらっしゃいふみちゃん。」

「あ、こんにちは。」

「「こんにちは。」」


商店街で顔馴染みのおばさんに挨拶すると、続けて挨拶した2人をおばさんが不思議そうに見る。


「あ、この子たちは……」

「私たち、家族なんです。」

「家族……?あぁ、親戚の子なのかい。」

「え、えぇ、そんな感じです。」


愛美ちゃんの発言にドキリとしたけれど、なんだか大丈夫そうだ。

商店街でこんな感じの会話を繰り返しながら、買い物を終えて帰路につく。


「食費とか、後でお返しします。」

「良いのですよ、だって私たちは家族なのですから。」


そう言って微笑みかけると、愛美ちゃんはそっぽを向いてしまった。

照れているのでしょうか……?

そう思うと、なんだか微笑ましくて顔が緩む。

穏やかで幸せな時間……

と、思っていたのですが。


「!?」

「どうしたのですか?」


もうすぐお家というところで、突然和四くんが立ち止まった。
すると……


「あ、アパートの前……」




「誰か……倒れてる。」
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