似非家族
『どうしたのその髪!?』



『染めた。』

『中学生で……しかもそんな真っ赤に……。』

『良いじゃん別に。』

『……将来ハゲても知りませんよ?』

『うっせ。』


ただの気まぐれだった。

もしかしたら、自分を認めてくれないヤツらへの反抗だったのかもしれない。

だけど……




『……似合ってるよ、赤。』




『……ん。』

『なんだなんだ〜?顔まで真っ赤♪』




信じたかったんだ。




『なっ!?うっせーんだよクソババァ!!』

『春子さんに向かってクソババァとはなんですか!』


でも




そんなのはただの幻想だ。
< 70 / 138 >

この作品をシェア

pagetop