似非家族
「へ!?」

「大体何で俺はココにいんだ?」

「そんなのコッチが聞きたいっての……。」

「あぁ?」


ボソッと言ってくれた主を睨みつけると、すぐさま目を反らしやがる。

やっぱりあのガキはヘタレだ。


「えぇと、アパートの前で倒れてらっしゃったので……。」

「あー……。」


倒れたのか俺。

そういやなんかぐらぐらしてたような……。


「救急車呼んだ方が……」

「大袈裟にすんな。空腹んとこぶち込まれたから調子悪かっただけだ。」


そう言うと、反応したのはお嬢ちゃんだった。


「お腹が空いているの?」

「あ?まぁ……」


すると、お嬢ちゃんはフッと笑った。

な、何だこの感じ……?

目を反らすことを許されない感覚。

このお嬢ちゃんは魔力でも持ってんのか?


「だったら……」




「私たちと晩御飯を食べましょう。」
< 74 / 138 >

この作品をシェア

pagetop