烏乃唄-カラスノウタ-
「はいはい分かってる!私に任せてよ!」
「そうね。やっぱり和江は頼りになるわ。じゃあ行ってきます。」
瑞江は和江に見送られ引き戸を閉めた。
そして家から歩いて十分もしない工場へ瑞江は歩いていった。
「和江悪いわねぇ…」
瑞江の代わりに和江が蚊帳(かや)の準備をしていると母がすまなそうに言った。
「大丈夫だよ!母さんは寝てて。」
そう言うと和江は手際よく蚊帳を張り居間に向かった。
「姉さん遊ぼ。」
居間に着くと一番末の弟がすり寄ってきた。
「ええ。いいわよ!」
それから二十一時くらいまで二人で遊んでいた。
「ねぇ、草四郎(そうしろう)そろそろお風呂入らないと。」