烏乃唄-カラスノウタ-
「な…によ…これ!」
はじめは目を開く事もできなかったが徐々に目が慣れてきて薄目を開いた。
するとその光の中に無数の赤い玉のようなが上に昇って行くのが見えた。
それが“火の玉”だと分かるまでにそんなに時間はかからなかった。
「凄い…」
三人がそれらに目を奪われているとその中の一つが近寄ってきた。
その火の玉は徐々に人の形になっていく。
じっと見ていた和江はその人の形が完成されると同時に大きな声で叫んだ。
「…っ姉さん!!」
そう、その火の玉は瑞江そのものだったのだ。
瑞江は呼ばれると少し苦笑いしてからとびっきりの笑顔を見せ再び赤い火の玉に戻った。
そのまま他の火の玉と共に上へ昇っていった。