烏乃唄-カラスノウタ-
全ての火の玉が昇りきると光は消えた。


気付くと辺りは大騒ぎになっている。


どうやら光の事で騒いでいるのではなく工場が大爆発をして騒いでいるようだ。


消防隊が必死に消火活動をし、近所の野次馬共が現場に走る。



ふと母が和江と草四郎の頭にポンと手を置いた。



「もしかしたら瑞江は最期のお別れを言いにきたのかもしれないわね…」



そう言った母の声は震えていた。


それから暫くして状況を把握した和江は泣き続けた。
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