烏乃唄-ｶﾗｽﾉｳﾀ-

だが誰もいない。



「愛ちゃん？誰もいないわよ？」


「ううん。いるよ。ずっとこっち見てる。」



そう言うと愛はまた和江の後ろをじっと見つめた。



「あのね、その女の人が自分がおばあちゃんのお姉ちゃんなんだって教えてくれた。」


「ねっ姉さんが！？」



愛の言葉に和江は驚いてしまった。


実は愛は霊感が強いので和江を見た時から後ろからついてくる瑞江の霊が気になっていたのだ。


和江は振り向き自分の後ろにいるといわれる瑞江を見ようとするが全く見えない。



「愛ちゃん、姉さんはどうしておばあちゃんの後ろにいるの？」



一番の疑問点を和江は訊ねた。