烏乃唄-カラスノウタ-
私が携帯を片手に猛スピードで文章を打っている横で桐子は残りのジュースを飲み干した。



「雪音ー。次行こ。」


「あっうん。」



私は急いで打った文章を保存し二人で次なるアトラクションに向かった。









「けっこう乗ったねー!」



もう二十時を回っており二人とも満足気であった。



「そうだね。じゃぁ最後にあれに入ろうよ。」



そう言って桐子が指差したのは所謂(いわゆる)お化け屋敷だった。



「そういえば今日まだお化け屋敷入ってなかったよね。」



私は今日一日に乗ったアトラクションを思い出してまだお化け屋敷には入っていない事に気付いた。



「今日あんたの気分が悪くなるとダメかなって思って言わなかったんだよ」
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