烏乃唄-カラスノウタ-
桐子が相変わらず無愛想な感じで言った。



「なんだそうだったの?別に入ってもよかったのに」



そう言うと私たちはお化け屋敷に入った。



ドクンッ



(……?)



私は中に入った瞬間なぜか胸騒ぎがした。



「雪音ー?おいてくよ〜!」


「えっあっ!待って!」



私は急いで先に行く桐子を追いかけた。






「やっぱ何回も来てるから全然怖くないんだよねー。むしろ面白い。」



私の前を行く桐子が次々に現れるお化けや幽霊のセットを見て面白がっていた。



「……雪音どうかした?あんた目なんか瞑(つむ)って…」



「えっあっはっ!!」



私は自分でも驚くほど硬く目を瞑っていた。



「あんたこのお化け屋敷平気じゃなかったっけ?」
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