烏乃唄-カラスノウタ-
私はその声に驚いて声がした方を向いた。


そこには怪訝(けげん)な顔をして私を見ている桐子がいた。


それとよく見てみるとお化け屋敷から出てくる他の人にもじろじろ見られている。



「お前恥ずかしいから出口で踊るの止めてくれる?」


「違うんだよ!振り払ってたんだよ!」



私は先ほどまでお化け屋敷の中で起こっていた事を桐子に話した。



「えー、ありえないし。疲れじゃないの?」



やはり桐子は信じてくれなかった。


それでも私は必死で主張する。



「疲れとかそんな次元の問題じゃないよ!だって耳元で

『私たちの事よく理解もしてないのに安い言葉で語るな!取り憑かれたいのか!!?』

って言われたんだよ!?」
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