烏乃唄-カラスノウタ-
暫くして警察がやってきた。


雅史が押し入れで見たものは腐敗した女の遺体だった。


警察の話しによるとどうやら自然死ではなく他殺らしい。


それから犯人の捜索が始まり約一年後に捕まるはまだ先の話。


結局雅史が見た霊は殺された千葉という女性で、なかなか発見されずに隣に越してきた雅史に助けを求めたのだ。


あの押し入れは雅史が寄りかかっていた壁と隣合わせだったから……



その後ドンドンという音は聞こえなかった。



そのかわりに警察があの女性の遺体を押収した夜と犯人が捕まった日の夜に『ありがとう』という声が聞こえた。



もちろんあの霊と同じ声で。






‐1番 隣の住人‐終わり
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