烏乃唄-ｶﾗｽﾉｳﾀ-

夜、静香は家でテレビを見ていると静香の母が血相を変えて静香の部屋に飛び込んできた。



「静香！大変よ！拓哉君が亡くなったって電話が…！」


「はぁ？何言ってんの？冗談はそのエプロンだけにしてよ。」



静香は母がしているムンクの名画“叫び”がプリントされているエプロンを見ながら言う。



「本当なのよ！一時間前に車にはねられて…病院に運ばれたけど…ダメだったらしくて…！」



泣きそうになっている母を見て漸く（ようやく）事が事実だと理解し、母と共に急いで病院に向かった。







病院に着くと拓哉の両親が霊安室の前で泣いていた。


拓哉の母が静香の存在に気付くと静香のもとへと近づいてくる。