烏乃唄-カラスノウタ-
思っていた以上に静香の中の拓哉の存在が大きく涙が止まらない。



「拓哉…逢いたいよ……」



その時ふと今日の昼の会話を思い出した。



「…烏の唄」



そう。


歌えば死者に会えるという禁断の唄の事を思い出したのだ。


絶対最後まで歌ってはいけないと言われているが、この際手段を選んでいる場合ではない。


静香は涙を拭い拓哉にもう一度逢うためこの唄を歌う事にした。



「確か歌い出しが…『カラスが鳴いた』だったよな…」



昼間史佳が言っていた歌詞を思い出す。


しかし思い出したところで続きの歌詞、ましてやメロディーが分からない。



「もー!次の歌詞何ー!?『カラスが鳴いたーカラスが鳴いたー…』」
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