烏乃唄-カラスノウタ-


「…うーん」



次に目を覚ました時静香は真っ暗な闇の中にいた。


闇といっても静香自身が光っているのか、自身だけはハッキリと見える。


辺りを見渡しても真っ暗で何も見えないがここがちょっとした虚無空間的であることは直感的に理解できる。


するとどこからか誰かの足音が聞こえてきた。


それは確実に静香のもとに近付いてくる。


そしてその足音の主の姿が見えると静香は我が目を疑った。



「た…くや……?」



歩いてきたのは何と拓哉だったのだ。


静香は目をこしこしこすりもう一度確認するがやはり夢ではない。



「あの噂は本当だったんだ…」



静香は立ち上がり拓哉のもとへ近付いて行く。
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